家族信託という制度はご存知ですか!?
家族信託。ちょっと耳慣れない言葉ですが、ここ数年、家族信託という手法を活用した財産管理が少しずつ増えてきています。「資産家じゃないからうちは関係ない。」そうおっしゃる方がほとんどです。でもプロだからこそ見えている景色があるのです。
☑不動産名義人が認知症になるとなぜ困るのか!?
不動産業の私たちならではの見えている景色があります。それは不動産を取り巻く様々な課題。今回取り上げるのは、もし不動産名義人である所有者が「認知症」になってしまったら、というケースです。
埼玉県東松山市で「お客様の節目節目に何度でも選んで頂ける不動産・建築会社」を着実に丁寧に目指している株式会社東上不動産・株式会社東上建設代表の宮村です。
認知症という言葉は知っていてもあまり馴染みはありませんよね。僕自身もプライベートでは認知症の方に接する機会は全くありません。なのでニュースや新聞記事で見かけてもあまり実感がありません。でも不動産業と言う仕事の場面では全く違ってきます。
資産家とかアパートオーナーに限ったお話ではありません。良くあるケースは、ご自宅の売却相談にご家族の方が来店され、後日、ご自宅へ査定にお伺いしたときに名義人であるお父様とお話していると・・・何度も同じ話題がループする、お話がかみ合わない。もしかしたらご自宅の名義人であるお父様は軽い認知症になられているかもしれない、というケースです。これは意外に多いです。
で、何が困るの!?
家族全員が売るって言ってるんだし、お父さんも反対しないから問題ないじゃない。
それでも不動産の売却という契約行為は出来なくなるのです。例えご家族にお願いされても、取引時に判断が出来ていないと疑われた時点で司法書士の先生も我々不動産業者も手を引きます。
☑相続対策さえしてあれば家族信託は不要か!?
では「親父の持っているアパートは売却するつもりがないから関係ないよ。」と言う賃貸物件をお持ちの方の場合はどうでしょうか。
「アパート名義人である親父が認知症を発症してしまったので、今後は息子である私が父に代わってアパートの経営に関する判断をしますから。」と言う連絡が不動産管理会社に入った場合、不動産管理会社は息子さんとやりとりを出来るのでしょうか!?
実はこれも出来ないのです。
お父様からアパート経営に関する通帳や印鑑を預かっているとしても残念ながら出来ません。アパートの修理や修繕、賃料を決めることも入居者との賃貸借契約を結ぶことも名義人以外は出来ません。
もちろんお父様名義の銀行預金を下ろすことも振込や借入金の条件交渉も出来なくなります。
自宅の処分が思うようにできないというのも大変なことですが、借り入れを前提としている賃貸物件の管理、処分が出来なくなることはかなり深刻な事態に陥ってしまいます。これは相続対策として遺言書を用意してあるとか財産を誰にどう分けるのかといった分割対策、納税を抑える節税対策では全く対応できません。
☑家族信託で出来ることは何か!?
と言うような万が一に備えるため、最も信頼できる家族に財産を託す「家族信託」と言う制度が生まれました。
では信託とは何か!?
・不動産の所有者である親の所有権はそのままです。
・親から子に委託されるのは契約行為などの管理処分権だけです。
・金銭の使用収益権は親にありますので収益は変わらず親が受け取れます。
万が一の相続が発生したら・・・
・遺言では財産の行先は一代限りの指定ですが、家族信託では孫である二代先、場合によっては三代先までの財産承継も可能です。
家族信託すると全財産、全通帳を子に預けるのか!?
・管理を依頼するのは信託した財産、通帳のみですから、その他の財産全てを見せる必要はありません。
すいません。分かりやすい文章にすることが出来ませんでした(笑)。
家族信託に関すること、相続に関すこと、不動産の購入・売却に関すること、などなど、東上不動産では各種のセミナーを毎月開催しております。また個別相談も随時受付しておりますのでお気軽にお電話、メールでお問合せくださいませ。ご相談はもちろん無料です。
関連した記事を読む
- 2024/10/28
- 2024/10/21
- 2024/10/14
- 2024/10/07